繋がることを止めることで,病から開放される。だが,人,にしても,ワイヤード,にしても,繋がることを止めることは,死,を意味する。
米国で続いている分散型サービス拒否攻撃の被害がさらに広がっている。新たに米国MSN,米国Eトレード,米国ZDNetの被害が報告された。特にZDNetでは,9日の早朝,2時間にわたってサービスがダウンした。FBIは,本格的に捜査を開始し,法執行当局は被害に遭ったサイトのログの収集と解析にあたっている。株式市場では,電子商取引に悲観的な見方が広がり,一部ハイテク株の売りに繋がっている。
昨日の続き。実際,この攻撃を完全にせき止める術はない。もし,せき止める術があるとしたら,それは繋がることを_断ち切ること_ぐらいだ。攻撃のツールはウェブ上で簡単に入手することができるし,そのツールも日々,進化している。大手サイトは怠慢だったという意見もあるが(ZDNet Newsの記事),ツールは,パケットの種類を偽ることを覚え,フィルタをかいくぐる術を学んでいくだろう。繋がっているかぎり,壁は常に崩される宿命を帯びている。
繋がることで成り立っているワイヤードという存在は,病をその誕生のときから抱えるていると云っていい。あなたも,感じているかもしれない。ワイヤードにいるときの,あの重たい皮膚感覚,あの痛い精神への汚濁,あの沈み込むような脳の変調。それは,人同士が繋がろうとするときに生まれる,懸念と似通う。生き続けるかぎり,繋がり続けるかぎり,その病から逃れることはできない。逃れる術は,死をおいて他にない。
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